「ハチビキって、身が赤いけど赤身なの?白身なの?」
魚屋さんやスーパーで真っ赤な魚を見かけて、そんなふうに思ったことはありませんか。
先に答えると、図鑑では身の赤は色素によるもので、マグロやカツオのような赤身の赤とはちがい、加熱すると白くなって食感も白身に近い、と説明されています。
ただ、「本当はどっちなの?」は長いあいだきちんと確かめられていなかったそうで、2026年10月23日(金)のEテレ「ギョギョッとサカナ★スター」で、番組が依頼した分析の結果が明かされます。
この記事では、海や魚にくわしいカエルが、ハチビキの身と体が赤いわけ、名前の由来、おいしい食べ方までまとめました。
この記事は2026年10月22日時点の情報です。番組の内容は、放送前の番組表(番組の紹介文)をもとにしています。分析の結果は放送後に追記します。
ハチビキは赤身?白身?先に答えると
ハチビキは、身まで赤い、ちょっと変わった魚です。
でも、魚の図鑑サイト「ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑」では、身の赤は色素によるもので、カツオなどの赤身魚のミオグロビンの赤とは根本的にちがい、加熱すると白くなって食感も白身魚に近いと説明されています。
| くらべるところ | ハチビキ(図鑑の説明) |
|---|---|
| 生の身の色 | 赤い |
| 赤い色のもと | 色素(赤身魚のミオグロビンとはちがう) |
| 加熱すると | 白くなる |
| 食感 | 白身魚に近い。かたすぎず、繊維質 |
図鑑の説明どおりなら、「見た目は赤身、中身は白身っぽい」魚です。
とはいえ、番組の紹介文によると、赤身か白身かは長年の疑問だったとのこと。番組が分析を依頼して、その結果が放送で明らかになります。
そもそも赤身と白身は何がちがう?
マグロやカツオの身が赤いのは、ミオグロビンという色素たんぱく質によるもの。マグロの赤い色は、このミオグロビンの状態で左右されることが、東京海洋大学の研究でも説明されています。
ハチビキの身も赤く見えますが、図鑑では、赤い色のもとがちがうとされています。
同じ赤でも、もとになっている成分がちがうと、焼いたときの色や食感も変わってくるんですね。
ハチビキってどんな魚?
ハチビキは、スズキ目ハチビキ科の海の魚です。図鑑にのっている特徴を表にしました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 分類 | スズキ目ハチビキ科ハチビキ属(学名 Erythrocles schlegelii) |
| すむ場所 | 水深65〜300mの岩礁域 |
| 日本の分布 | 青森県下北半島、千葉県館山〜土佐湾の太平洋側、新潟県〜九州北岸の日本海側、琉球列島など |
| 大きさ | 体長70cm前後になる |
| 見た目 | 細長い体で、全体が赤く、背中側ほど色がこい。下あごが上あごより前に出ている |
| おもな産地 | 鹿児島県・長崎県・沖縄県・静岡県(おもに釣りでとる) |
水深200mより深いところは「深海」と呼ばれるので、ハチビキは深場から深海の入り口あたりにすむ魚といえます。
ハチビキの体はなぜ赤い?
ハチビキは身だけでなく、体も真っ赤。番組の紹介文では「ルビーのよう」と表現されています。
深い海には、真っ赤な魚もたくさんいます。そこには、わけがあります。
キヤノンの子ども向け科学サイトによると、水は赤い光を少しずつ吸収するので、深いところには青い光しか届きません。そのため、明るい場所では目立つ赤も、深い海ではほぼ真っ黒に見えて、敵に見つかりにくいのです。
キヤノンの説明では、水深が数10m、数100mになると、水が赤い光を吸収する影響はさらに大きくなります。水深65〜300mにすむハチビキのまわりでも、赤い光はかなり弱くなっていると考えられます。
水揚げされて明るい光の下に出てくると、本来の赤があざやかに目立つというわけです。
深い海の生き物がなぜ赤いのかは、こちらの記事でくわしくまとめています。
深海魚はなぜ赤い?深海で赤が「見えない色」になる理由と例外3つ
ハチビキの名前の由来は?「赤サバ」とも呼ばれる
図鑑によると、ハチビキのもとの名前は「血引(ちびき)」。身が血のように赤いことから付いた名前です。
頭に「ハ」が付いた理由は、はっきりしていないそうです。
地域によって、いろいろな名前で呼ばれています。
- アカサバ(赤鯖):関東
- チョウチンマチ:沖縄
- ホテ:三重(志摩地方)
三重県水産研究所の「おさかな図鑑」でも、志摩地方では「ほて」と呼ばれ、大きなものは大事な漁の対象になっていると紹介されています。
口が伸びる?稚魚の秘密も?番組の見どころ
10月23日(金)の「ギョギョッとサカナ★スター」では、身の色のほかにも、ハチビキの気になる話が取り上げられます。番組の紹介文から、見どころを3つ並べました。
- さかなクンが、ハチビキの口が伸びる理由を解説
- 稚魚のころに、別の生き物に守られていたようすを、水中カメラマンへの取材とともにテレビ初公開
- 身が赤身か白身か、番組が依頼した分析の結果
ギョギョッとサカナ★スター「ハチビキ」
NHK Eテレ 2026年10月23日(金)19:25〜19:55
出演:さかなクンほか
ハチビキの味と食べ方
見た目はインパクトがありますが、ハチビキはおいしい魚です。図鑑で紹介されている味と食べ方をまとめました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 旬 | 産卵前の4月ごろ〜8月ごろ(寒い時期に脂がのる個体もいる) |
| おいしいもの | 700g以上の大きなものほど味がよいとされる |
| 身 | かたすぎず繊維質で、白身に近い食感。頭や骨からよいだしが出る |
| おすすめの食べ方 | 刺身、たたき、なめろう、塩焼き、煮付け、フライ、唐揚げ、西京漬け、みそ汁など |
| 加工品 | 静岡県沼津市の開き干しが図鑑で紹介されている |
生の刺身では赤い身の色を、塩焼きや煮付けでは白くなる身の変化を楽しめます。
鮮度が落ちるのは比較的おそい魚とされていますが、刺身にするなら、新しいものを選びましょう。
ちなみに、関東では昔は安い「赤鯖」として扱われ、売りにくい魚だったそうです。
長崎県や鹿児島県がていねいに荷づくりして出荷するようになってから評価が上がり、いまでは大型は高級魚とされています。小型のものは手ごろな値段で見かけることもあります。
子どもに聞かれたら?30秒で話せる答え
番組を見ながら「なんでこの魚は赤いの?」と聞かれたら、こんなふうに答えてみてください。
「ハチビキは、深い海にすんでいる魚なんだよ。深い海には赤い光がとどきにくいから、赤い体は真っ黒に見えて、敵に見つかりにくいんだって。身も赤いけど、焼くと白くなるふしぎな魚なんだよ。本当は赤身か白身か、テレビで調べた結果を見てみよう!」
まとめ:ハチビキは「赤い身なのに白身っぽい」ふしぎな魚
- ハチビキの身の赤は色素によるもので、赤身魚のミオグロビンの赤とはちがうと図鑑で説明されている
- 加熱すると白くなり、食感も白身魚に近い
- 赤身か白身かは長年の疑問で、10/23(金)19:25のEテレ「ギョギョッとサカナ★スター」で分析の結果が明らかに
- 体が赤いのは、深い海では赤が黒っぽく見えて目立ちにくいため、と考えられている
- 名前のもとは「血引(ちびき)」。関東では「赤サバ」とも呼ばれる
- 刺身・塩焼き・煮付けなど、いろいろな食べ方でおいしい
放送で分析の結果が出たら、この記事にも追記します。
参考:
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑「ハチビキ」
Gガイド「ギョギョッとサカナ★スター ハチビキ」
キヤノンサイエンスラボ・キッズ「深海生物ってどんな色?」
三重県「おさかな図鑑:おさかな雑録 No.75」
東京海洋大学「Soret帯吸収ピーク波長を用いたマグロ赤身肉の肉色評価方法」(PDF)

