世の中のグローバル化により、小学校でも英語の授業が導入されている昨今ですが、それ以前の幼少期に行う英語の早期教育については未だに賛否両論があります。
周りから「ウチは幼稚園から英語教室に通っている」などと聞くと、「幼児期に大きく差がつくから早く始めないと」とか「どんどん差をつけられている」と焦ってしまうことも多いのでは?
→ハイ、ワタシですm(__)m
実際のところ、幼少期からの英語教育の効果やデメリットがあるのかないのか気になる方は多いと思いますので、幼児の英語教育の効果や幼少期から英語に触れさせることのデメリットについて調べてみました。
目次
幼児から英語に触れさせるほど英語が苦手になるという残念な事実
著名な英語講師の関正生さんによると「英語教育は中学生からで十分。小学生の段階で英語に触れさせると、むしろ英語嫌いになってしまう恐れがある」といいます。
“むしろ英語嫌いになってしまう”とは、どういうことでしょうか?
その理由を詳しくみてましょう。
■ 「英語への抵抗をなくす」はただの”おせっかい”
早期英語教育の取り組みの1つとして有名なのが「リビングに英語の絵本をさりげなく置いておく」「英語の曲をかける」などの行動ですが、この取り組みは、失敗する家庭のほうが多く、何よりも失敗したときのリスクが大きいと関先生はいいます。
本を置いたり曲をかけたりする理由は、幼少期から英語に触れさせることで「英語への抵抗をなくすため」というのが大半ですが、それは大人が勝手に「英語はとっつきにくいもの」と決めつけて、「とっつきにくいのだから、英語への抵抗をなくしておこう」という思い込みによる”おせっかい“な行動でしかありません。
よく考えてみてほしいのですが、英語に触れたことのない子どもが「英語を始めるのに抵抗がある」とか、最初から「英語が怖い」なんて言う子はまずいません。
英語を始めるときの子どもの顔は間違いなくイキイキして好奇心に溢れています。
■ 「いつの間にか身近になる」ことはほとんどない
お子さんに英語をマスターさせた親御さんが成功談として、幼少期から英語に触れさせる効果を雑誌のインタビューやテレビで話す姿をよく見かけます。
確かに「幼い頃から家の中に英語の本があり、なんとなく手にしていたので、いつの間にか英語が身近なものになっていた」という言葉は、「英語への抵抗をなくしておこう」という思い込みに対して効果がありそうで、つい真似したくなりますが、「置いておけば身近になる」とは限りません。
実際、幼い頃から部屋に世界地図など知育ポスターを貼っているご家庭は珍しくないと思います。しかし国の大きさや国旗に多少の興味は示すものの、そこまで熱心になる子はかなり少数でしょう。
また、ファッション誌やスポーツ誌など、親の興味で家の中にあるものが、お子さんの興味を引くケースは少ないのではないでしょうか。
こうして考えると英語は「置いておけば身近になる」というのも、大人の勝手な思い込みかもしれません。
■ 英語に対する新鮮さが失われるリスク
「リビングに英語の本を置く」「英語の曲をかける」などの方法に効果が少ないことは分かりましたが、関先生の指摘する“失敗したときのリスク”とは何なのでしょうか。
それは、ズバリ「英語に対する新鮮さが薄れ、爆発力がなくなること」です。
成功談では、「物心ついたときから英語が身近にあった」というメリットだけが語られますが、それは逆に「英語への憧れ」がなくなってしまうことでもあります。
早期に英語教育を受けていない、つまり物心がついてから英語を始める人間の強力な武器が「英語に触れたときの新鮮な気持ち」や「英語を話す人への憧れ」です。
これは英語学習の起爆剤になりえますし、「英語への憧れ」は英語学習の強烈なモチベーションになりえることを考えると、早い段階から英語に触れさせるよりも、この“切り札”を取っておいた方が有効で、「身近なところに本を置いておく」方法よりも成功率は格段に高いだろうというのが関先生の考えです。
幼少期から英語教育をはじめる3つのデメリット
ここまでお読みいただき、世間の「英語は早く始めるほどいい」というのは「必ずしもそうとは限らず、リスクのほうが大きい」ということが十分に伝わったのではないでしょうか。
→ハイ、アンシンしましたm(__)m
とは言えですよ、、、
周りから「英検に合格した」などと聞くと、「幼児期に大きく差がつくから早く始めないと」とか「どんどん差をつけられている」焦ってしまう方も多いでしょうから、そんな不安を解消するために”幼少期から英語をはじめる3つのデメリット“についてお伝えします。
1つめは、「そもそも早く始めたところで早くやめてしまったら(挫折してしまったら)、それこそ大きな痛手となる」ということです。
なぜかこのたった一言が世間では言われませんよね。
焦って始めるよりも、「英語を続けるための準備」に時間を割いてからでも遅くありません。
2つめは、「早いほうが吸収が良い」と思いがちですが、それはあくまで「興味を持った場合だけ」です。
興味がない3歳児や5歳児より、興味を持った10歳児のほうが吸収は早いですし、興味を持ったのが16歳であっても、そのときは逆に日本語力を駆使してどんどん吸収していくものです。
お子さんのポテンシャルを信じるのは素晴らしいことですが、「早い段階で興味を持って順調に進み、その後何年も英語に取り組み続ける」というのは、かなりレアな成功例と思ったほうがいいでしょう。
3つめは、早期英語教育においては丸暗記式の英語を教えられることになるわけですが、丸暗記はいつか限界がくるので、その程度の暗記量は後でいくらでも逆転が可能だということです。
たとえるのなら貯金みたいなもので、子どものときにコツコツと10円玉を貯金したり、お年玉を貯金すること自体は素晴らしいですが、金額という意味ではたいした額にはならず、何年も続けても10万円とかでしょう。
それよりは、子ども時代に有効にお金を使って色々なことを吸収しておけば、大人になって仕事のスキルも上がり、1カ月で10万円を貯金できる、そんなイメージです。
もちろん貯金はたとえですが、丸暗記英語は「あれこれ節約して我慢して10円を貯金するくらい費用対効果が悪い」ということです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
英語教育については、「子どもを国際社会で活躍させるため!!」とついつい焦ってしまいますが、幼児期や小学校時点での差なんて気にする必要は一切なく、早いうちから無理をさせてもメリットは少ないようです。
大事なのはお子さんが興味を持って意欲的に英語に触れることですね。
最後までお読みいただきありがとうございます。